ほくろ

ほくろとは?

ほくろとは?色素性母斑と呼ばれていて、一般的には後天性のものを意味し、成長過程で母斑細胞が皮膚や皮膚の下に増殖している状態です。主なほくろには、Unna母斑、Miescher母斑、Spitz母斑、Clark母斑があります。

Unna母斑

体幹にできやすい傾向がある、やわらかいしこりです。色は黒から茶褐色、直径は1㎝程度が多くなっています。

Miescher母斑

顔や毛髪が生えている部分に生じやすく、ふくらんでいるケースが多くなっています。また、毛が生えてくることもあります。加齢によって色が薄くなっていき、肌色に近くなることもあります。

Spitz母斑

赤から黒っぽい色をしていて、若い方にできやすいほくろです。まれですが、急激に大きくなってメラノーマ(悪性黒色腫)との鑑別が必要になることがあります。

Clark母斑

体幹や四肢にできやすく、色は中心が濃く、外側に向かって薄くなる楕円形のほくろが多くなっています。直径1㎝以上になることはほとんどありません。

ほくろの症状

メラノーマなど悪性の場合もまれにあり、良性のものでもふくらみがある場合には視界を邪魔する、ヒゲ剃り・洋服・アクセサリーが引っかかるなど、疾患として日常に支障を生じることがあります。こうした日常に支障を生じるケースでは、保険適用による手術が可能になります。
ただし見た目など整容または美容的な目的によるほくろ除去手術には健康保険が適用されず、全額自己負担になります。

ほくろと類似する疾患

皮膚線維種

黒から褐色の硬いしこりができる皮膚腫瘍です。虫刺されなどによって生じることがあります。

神経線維種

末梢神経に発生する良性腫瘍で、特定の全身疾患の症状として多発することもあります。軽度で治療が必要ないケースもありますが、多発して臓器に深刻なダメージを与えることがあり、悪性腫瘍の発生につながるケースも存在します。適切な検査と診断が不可欠です。

軟性線維腫

加齢によって肌のターンオーバーサイクルが乱れ、摩擦など習慣的な刺激が重なって生じるイボのような病変で、アクロコルドン、スキンタッグとも呼ばれています。小さいものはほくろのように見えることがあります。

脂漏性角化症(老人性疣贅、イボ)

紫外線などの刺激によってできる加齢性のイボです。茶色いシミが盛り上がるため、ほくろと勘違いされることもあります。主な原因が紫外線ですから、顔、首、胸などの露出部にできやすい傾向があります。

基底細胞がん

顔面にできやすい傾向があり、皮膚がんでは最も発症頻度が高いのですが、メラノーマに比べると悪性度が低くなっています。生検などで慎重に鑑別し、完全に切除する手術が必要です。疑いがある場合には連携している高度医療機関をご紹介し、速やかに適切な診療を受けていただけるようにしています。

悪性黒色腫(メラノーマ)

転移しやすく、発見から短期間で命に関わる可能性が高いことから、一刻も早く適切な治療が必要ながんです。足裏にできやすいのですが、他の部分にできることもあります。疑いがある場合には迅速に連携している高度医療機関やがんセンターなどをご紹介しています。

ほくろの治療法

できるだけきれいに治すために

ほくろのサイズや部位などを慎重に見極めて、最もきれいに治る手法や切開範囲を緻密にデザインし、それに合わせて丁寧に手術を行います。自然なしわに沿った切開や、皮膚の下で溶ける糸を使った真皮縫合を行った上で、髪の毛よりも細い糸による繊細な表皮縫合を行うなど、高度な手法を駆使してきれいな仕上がりにこだわった手術です。日帰り手術ですから患者様のご負担を最小限に抑えることができます。

痛みなどを起こさないために

痛みを最小限に抑えるためのさまざまな工夫を行い、きめ細かく配慮しています。局所麻酔を行いますので手術中の痛みはなく、麻酔注射の際の痛みにも配慮しています。極細の針を使用することで痛点への刺激を抑えてチクッとする痛みを軽減し、pHを中性にする薬剤の処方によって注入された際の痛みも解消できるようにしています。

ほくろ手術の流れ

ほくろ手術の流れカウンセリングを行い、悪性所見の有無を確かめます。
手術による治療が可能と判断されたら、その内容をくわしくご説明してご納得いただいてから手術を行います。

局所麻酔を行った上で手術によりほくろを除去しますが、その際には痛みを最小限に抑え、できるだけきれいに治せるように高度な技術や手法を用いて丁寧に手術しています。
軟膏を塗布してガーゼなどで傷を保護したら終了です。術後のケアや生活上の注意点をわかりやすくお伝えします。日帰り手術なので、抜糸のご予約後にご帰宅となります。

抜糸は、1~2週間後に行います。
一般的に抜糸から1週間程度で赤みが徐々にひいて、皮膚の状態が回復に向かうことが多くなっています。

ほくろとがん

ほくろも他の皮膚も、がん化する可能性は同じですが、皮膚がんの初期症状として急激に大きくなるほくろのように見えるケースがあるため、気になるほくろがある場合にはできるだけ早く受診してください。

ほくろ治療の通院回数

1回の手術で切除できますが、抜糸のためにご来院が必要ですから、最低でも2回通院していただきます。

ほくろの治療と保険適用

まぶたにあって視界を邪魔する、服の脱ぎ着やヒゲ剃りなどで引っかかる、洗顔などの際に爪があたって出血するなどの場合にはほくろの除去手術が保険適用されます。ただし、完全な美容目的での切除手術は保険適用されませんので、全額自己負担となります。

手術の痛み

局所麻酔を行いますので手術中の痛みはありません。麻酔注射では極細の針を使用してチクッとする痛みを軽減し、薬剤のpHを中性に処方することで注入された際の痛みも解消できるようにしています。

切除の傷跡

ほくろを切除するため、わずかな傷跡は残りますが、手術実績豊富な専門医師による繊細で高度な手術により、できるだけ目立たずきれいに治せるようにしています。

1手術の回数

手術は、1つ1回の手術となり、基本的に保険診療では月1回、1つのほくろ除去手術が可能です。そのため、複数ある場合には数回に分けて手術します。

手術後の飲酒や運動などの制限

出血を起こさないためにも、最低3日間、できれば1週間程度控えてください。

手術後の入浴

翌日からシャワーが可能です。バスタブに浸かる入浴は、抜糸後から可能です。

手術後のセルフケア

清潔を保つことと、適切なテーピングなどによって傷を紫外線から守り、余計な力がかからないようにします。

治療後の再発

最小限の切除では、かなりまれですが再発の可能性がゼロではありません。再発してしまった場合には、再診として早めに受診してください。

ほくろ治療の料金

疾患としての治療が必要な場合には、診察、検査、手術などの治療は保険適用されます。露出部(頭、顔、首、肘から先、膝から下)と非露出部によって手術費用は異なり、大きさや数などによっても費用は変わります。病理検査費用が別途必要になる場合もあります。3割負担の目安として、露出部の場合は5,000~14,000円、非露出部の場合は4,000~13,000円であり、病理検査は3,000円程度です。また、診察料などが別途かかります。

ほくろ治療の料金

個人で加入されている医療保険では、契約内容によってほくろ除去手術で手術給付金を受け取ることができる場合があります。契約されている保険会社にご確認ください。

TOPへ